親が亡くなると形見分けや遺品整理を行うことになりますが、近年の高齢化や独居化で、その遺品整理が思わぬ重労働になるケースが増えています。
例えば、下記のような状況があります。
高齢になると足腰が弱り、日常的に整頓することが困難になります。そのため、あらゆる物が身の周りに溜まり、ゴミも捨てられなくなってしまうのです。
このような部屋の遺品整理は、掃除と並行して貴重品の整理を進めていくことになります。
遺品整理の作業のために必要な用具や片付けの手順を紹介します。
物で埋まって歩く場所もない部屋の整理は、必要な物を準備し、手順を考えながら片付けや掃除を行うのが肝心です。
実際に片付けを始める前に必要なものを準備しておきます。
まずはその部屋の中で一番多いものを運び出しましょう。本が多ければ本を、衣類が多ければ衣類だけをまず取り除くのです。種類を絞れば迷うことが少ないので、迅速に作業できます。そうして作業スペースを少し確保したら、明らかなゴミを運び出しましょう。ゴミの量が多ければ、庭やベランダなどに収集日までの一次置き場を確保しておくといいでしょう。
次に、最初に運び出した本や衣類を分別します。まずは捨てるものとそれ意外に分け、捨てるものは仮置き場にどんどん搬出しましょう。それ以外は、引き継ぐもの、譲るもの、売るものなどがあるでしょうが、それを分けるのは後でいいでしょう。大事なのは「捨てるもの」をスピーディーに家の外へ出し、物のボリュームを減らすことです。
ちなみに本や高価な服は買い取りしてもらえることがあります。ただし、あまり欲張ると片付けが進まなくなります。捨てる方が時間がかかりません。
部屋の中には、飲みかけのペットボトルや汚いままのコーヒーカップ、食べかけや空になった食器が埋もれていることがあります。中身がついて汚れている食器はすぐに流し台へ、残飯などはゴミ袋へと分類します。軍手とマスクを装備していれば、怯まず作業を進められるでしょう。
ここまでやった頃には物量はだいぶ減り、気持ちにも余裕が出てくるでしょう。そうしたら、まだ手を付けていない雑多な物を処分していきます。趣味の道具、日用品、思い出の品など。強い思い入れのあるものだけを残すようにしましょう。
引き出し、カバン、ポーチやファイル、道具箱や空き箱などは貴重品が入っていることがありますので、できるだけ中身をあらためるといいでしょう。
物がすべて処分できれば、ハタキを使いホコリとり、棚や机の上を拭いてから床に掃除機をかけます。最後に雑巾で水拭きをしましょう。