空き家の固定資産税を滞納するとどうなる?
固定資産税とは
不動産を所有していれば固定資産税を支払う義務が発生します。
固定資産税とは、土地や家屋の所有者に対して市町村が課している税金です。対象となるのは毎年1月1日時点に固定資産税課税台帳に登録されている所有者です。
ちなみに、年度の途中で空き家を売却したとしても月割りで税額分を還付されることはありません。1月1日時点でその年の固定資産税の全額が課税されるからです。売却を考えているのであれば、覚えておいていただくのが良いでしょう。
こちらから何かアクションを起こす必要はなく、市町村が不動産の課税標準額を基に税額を計算し納税通知書を送ってきます。
しかし、例外はあります。共有名義にしている場合にはそれぞれに納税通知書は届きません。その代り、納税通知書の送付先名義人のほかの共有者の氏名が欄外に記載されます。ちなみに、課税評価額が低い場合には課税されないケースもあります。土地では30万円、建物では20万円とされています。
固定資産税を納める期限も決められています。1年を4期に分け、その期日は市町村がそれぞれ定めます。たとえば広島市の場合、固定資産税の納期は次ように決められています。
第1期=4月(税額が4000万円未満は1期)、第2期=7月、第3期=9月、第4期=11月
(※広島市ホームページより)
滞納すると延滞金が発生
納税通知書には納付期限が記されています。これに遅れてしまうと延滞金が発生することになります。
たとえば、広島市の平成29年度の延滞金算出方法は下記のようになります。
■納期限の翌日から1カ月を経過する日までに納付した場合
税額×2.7%×納期限の翌日から納付した日までの日数/365=延滞金
■納期限の翌日から1カ月を経過した日以後に納付した場合
税額×2.7%×納期限の翌日から1カ月を経過する日までの日数/365=A
税額×9.0%×納期限の翌日から1カ月を経過する日の翌日から納付した日までの日数/365=B
A+B=延滞金
税額に、1000円未満の端数があるときはその端数金額を切り捨てます。また、税額が2000円未満であるときは延滞金はかかりません。
(※広島市ホームページより)
ただでさえ空き家を相続した時点で出費がかさむのに、この上余計な延滞金まで払うのはたまったものではありません。どうしても支払えない時には、納付期限が来てしまう前に対策を講じましょう。市町村には相談窓口を設けています。現状を説明し対応方法を探していきます。
可能であれば税金の減額や免除を申請しましょう。市町村により条件は異なります。
貧困や公益のための固定資産であること、自然災害により損壊などがその条件です。認定されることは難しいですが、もし該当しそうな事項があるのならば、駄目もとで相談してみてください。
減額や免除に該当しない場合には、支払いの猶予を相談します。1年以内に固定資産税を分割して納付するというものですが、これにも厳しい条件が課せられています。そして、猶予されるのは全額ではなくどうしても支払えない分に限ってのことです。
滞納したまま何も行動を起こさないでいれば、差し押さえという最悪の事態に陥りかねません。空き家を相続した時点で固定資産税をどうするか考えておくことが肝要です。
相続の際は固定資産も相続することになるので注意
相続で亡くなった親の家を譲り受ければ、固定資産税の支払い義務もいっしょについてきます。相続人が複数にわたる場合は注意が必要です。実際の相続人が決まっていても市町村役場にその決定事項が伝えられていなければ、相続人全員に納税通知書が送られます。家の所有者が決定した時点で固定資産の負担者を届け出ましょう。
ただし、届け出がなされていても税の滞納があれば、他の相続人に請求が行ってしまいます。相続登記を行い家の名義を書き換えてしまえば、他の人に請求されることはありません。
相続で発生する費用は固定資産税だけではありません。
火災・地震保険に加入していれば保険料を払い込まなければなりません。昨今の巨大地震への不安感から、保険料は今後段階的に引き上げられます。見過ごせない出費です。
さらに、住宅ローンは残っていないでしょうか。老後住みやすくするためのリフォームや建て替えを施していれば、その分のローンが残っているかもしれません。
相続が決まったならば、家にまつわる情報を全て洗い出すことが必要となってきます。
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