空き家になった実家の片付け方
空き家に家具や家財が残されたままでは、売却することも賃貸に出すこともままなりません。住人が転勤や入院中で、この先戻ってくる予定があるならば話は別です。
しかし、介護施設に入居し戻る予定がない、死亡してしまった場合などは荷物を片付けた方が活用のめどがつきやすくなります。保全しておくにせよ、家具などはない方が風通りも良くなり掃除もしやすくなります。
保管、売却、寄付、遺品供養、処分について分けて考えることがポイントです。
亡くなった人の遺品整理について
片付けには思いのほか時間がかかるものです。それが元々自分のものでないとなればなおさらです。身内であれば、懐かしい品を見付ければ思い出がよみがえってくるかもしれません。関係者が複数であれば、処分の仕方で揉めることも出てきます。
ここではスムーズに片付けが進む方法をご紹介します。具体的にするために、遺品整理という前提で進めていきます。不用品を捨てた後に残った品の保管、売却、寄付、遺品供養、処分において片付けのヒントにしてください。
保管しておくもの
片付けをする際に最初にしておきたいのが、貴重品をまとめておくことです。
通帳や有価証券、クレジットカードなど重要と思えるものは、いちいち詳細を調べずに一カ所にまとめます。一段落したならば、今後使うものなのか否かで分類します。
残高のない通帳や契約書、有効期限の切れたクレジットカードなど、今後使うことのないものはシュレッダーやハサミで裁断し破棄します。
残ったものについて詳しく見ていきましょう。
【権利書・契約書・借用書】
財産も負債も相続人が引き継ぐこととなります。相続の判断材料ともなるので、捨てずに残しておきましょう。判断に迷う時は弁護士などの専門家に相談を。
【株券・保険証書・通帳・印鑑】
この先、名義変更や届け出が必要となるものです。
相続対象となる財産のため、しっかりと保管しましょう。
【クレジットカード・診察券】
本人に帰属するものなので不要となるのですが、クレジットカードでは未払いがないか確認してから解約しましょう。診察券も保険の申請で診断書を取るときに求められることがあります。相続手続きが完了するまでは保管しておくべきです。
【宝石・貴金属】
形見分けとし身内で保管するか、専門業者に買い取ってもらいましょう。
故人が生前に高級品だと言っていても、実際は偽物だということも珍しくありません。複数の店舗で買い取り金額を提示してもらい、納得できれば売るのも1つの方法です。
売却するもの
自分たちでは使わないものの、まだ価値はあり捨てるには忍びない。そのような物は買い取ってもらいましょう。ただし、何でもかんでも買い取ってもらえるわけではありません。
業者側で店頭に並べたら売れるとの判断があって、初めて値がつくのです。どんなに思い入れがあり高価だと思っていても、値段は相場が決めます。
それぞれの品物ごとに売る際のポイントがあります。
【家電・家具】
近年、家具は需要が減り売れなくなってきています。特に若い人に人気の組み立て式の家具は、耐久性も低く元値が安いので価値はほとんどありません。ブランド家具やアンティークとされるもの以外は期待しない方が賢明です。
家電製品においてはリサイクル品として、新生活や引っ越しシーズンに需要が多くあります。製造から5年以内であれば大抵は買い取ってもらえるでしょう。
製品の側面や裏側に「2014年製」などの表記がされているはずです。メーカー名と型番もメモしておきます。この情報だけでも大まかな査定をしてもらえます。リモコンやACアダプターなどの付属品もいっしょにまとめておきましょう。
5年以上経過していると難しくなりますが、安くてもできるならば買い取ってもらう方が後々楽です。自分で処分するとなると、当然処分費用がかかります。
さらに家電リサイクル法の対象となる家電であれば、リサイクル券を購入し指定の場所まで運ばなくてはなりません。
【衣服・着物・小物類】
衣服や靴は、古着屋やリサイクルショップに買い取ってもらいましょう。すぐに流行遅れになるので新しいものやブランドものでも、あまり価格は期待できないでしょう。
着物が大量に出てくることもありますが、この場合は専門のリサイクルショップが良いでしょう。まとまった量があれば、出張買取も依頼できます。着物は高いというイメージがありますが、中古買取となると安くなりがちです。
思い出の品であれば洋服や小物にアレンジするのも、故人が喜んでくれるかもしれません。
【自動車・バイク】
自動車やバイクが残されている際には、売るか誰かが使うか、もしくは廃車の手続きをする必要があります。どうするにしても、いったん相続手続きを経て名義を変更する必要があります。
車の買取専門業者に依頼すれば査定に来てもらえ、面倒な手続き関係も行ってくれます。
寄付するもの
故人の思い出のあるものだから、寄付して誰かに役立てばうれしいものです。しかし、最近ではバザーや児童関連施設でも、衣類やぬいぐるみなどの玩具は受け付けないことが大半です。あくまで古すぎず汚れのない品などに限って、寄付する先を探しましょう。
文学全集などを寄贈しても、先方で必要がなければ迷惑となってしまう場合もあります。
供養するもの
故人が気に入って愛用していたものでも、遺族にとっては関心がないものは扱いに困ります。故人が使っていたメガネやかつら、趣味の手芸作品など、引き取って保管するのもためらわれますが、処分してしまうのも気が引けます。
こんな時は精神的な負い目をもたないために、故人の愛用品を天国に届けるための手段が供養です。神社や寺院で遺品供養サービスを行っています。遺族の気持ちの区切りにもなります。
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