交通事故で亡くなった娘 部屋の整理を業者に依頼した話

お子さんの部屋の遺品整理を依頼したある女性の話です。部屋が雑然としていたとはいえ、たった一人の血のつながった娘さんの遺品整理はさぞつらかったことでしょう。
※実話をもとにしたフィクションです。

一人暮らしの家に上げてくれなかった亡き娘

私は還暦を迎えたばかりの主婦です。今回、遺品整理をお願いしたのは、交通事故で亡くなった娘の部屋です。娘は大学を卒業してから、結婚せずにずっと一人暮らしをしていました。
自宅から車で50分ほどのところに住んでいましたが、もともと娘と私があまり仲がいい方ではなく、娘も仕事が忙しいことを理由になかなか実家に寄り付かなかったので、ずっと疎遠になっている状況が続いていました。私から娘が住むアパートに行こうかと提案しても「仕事忙しいから来ないで!」と言われてしまい、ここ数年は全くと言っていいほど訪問する機会がありませんでした。
しかし、娘が突然の交通事故で亡くなり、言い表せないほどの悲しみを経験しました。

娘が住んでいた部屋を退去するため、大家さんに娘の部屋の鍵を開けてもらい、数年ぶりに娘の家に行くことになりました。
そこで見た光景に私も夫も唖然としました。ワンルームの部屋で、部屋の隅々まで物やごみであふれ帰り、ゴミ屋敷同然の部屋だったのです。娘は実家にいた時も片づけが苦手で、私が叱るまで全く片づけをしない子でした。一人暮らしを始めた頃も部屋は散らかっていましたが、ここまでではありませんでした。私がたずねて1?2日掃除をすれば片付く程度だったのです。ある時から、私が行こうかと言っても頑なに「来ないで」と言っていたのは、このゴミも原因のひとつだったのかと納得しました。

雑誌や衣類、趣味で買った雑貨類などが床にびっしりと置かれ、食べ終わったコンビニの弁当箱や飲みかけのペットボトルが散乱し、悪臭が立ち込めていました。自分たちで片付けられるレベルではないと思い、葬儀の後に清掃の業者さんに依頼することにしたのです。

大切なものや思い出を残して、不要なものを処分

業者さんは驚くほど手際よく作業を進めてくれました。私と夫が立会っていたのですが、スタッフさんは「これは大切なものなのではありませんか?」と何度も私たちに質問してくれて、不用品と思い出の品をはっきりと区別しながら作業を進めていきました。ブランド品のカバンや時計、娘が写った写真、パソコンなど、処分せず残しておきたいものは自宅に配送し、衣類や雑誌などはほとんど処分してもらいあっという間に作業が終了しました。

決して仲の良い親子ではありませんでしたが、やはり一人娘を亡くした悲しみは大きく、私と夫だけではとても作業を進めることはできなかったでしょう。娘は今思えば、片づけられない性格に育ててしまったのかもしれません。遺品整理のスタッフさんの話によると、きれい好きな親が子どもの物を片づけていたばかりに、子どもは片づけ方がわからずに育ってしまうことが実際にあるそうです。私も娘の身の回りの世話をしすぎたのでしょうか。過干渉だったのでしょうか。娘が亡き今となっては、それもわからず、ほこりをかぶって出てきた娘の遺品を眺めては呆然とする日々を過ごしています。

貴重なご経験談をいただきありがとうございます。
大切なお嬢様をなくされたとのことで、心よりお悔やみ申し上げます。
居室の退去とはいえ、悲しみで一番つらい時に我が子の遺品整理をするというのは非常に困難と思います。整理・清掃の費用はかかってしまいますが、遺品整理の業者をご利用なさってよかったのではないでしょうか。
こころテラスでは、故人の大切にされていた遺品を残されたご家族様のため、丁寧に一つずつお客様と一緒に整理させていただいております。遺品整理を行われる際には私たちがお力になれることもございますので、ご相談いただけたら幸いです。

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