空き家を相続したらどうする?実家の活用法

親の家を相続すれば、その処遇に悩むものです。そのまま空き家として保全するにも、固定資産税のほか維持管理費がかかってきます。

人が住まないと家は傷みます。貸すとしても売るとしても、次の住み手を早めに見付けるようにしましょう。売るのが一番手間もかからず、余計な費用も発生しません。

早めに決断する方が買い手も見つかりやすくなります。

活用しないで空き家にした場合に発生する費用

近隣に迷惑をかけず、特定空き家に認定されないようにするためには、ほったらかしにしておくことはできません。最低限の維持管理が必要になってきます。空き家を所有すると、誰も住まなくてもお金がかかるのです。

最も大きな負担となるのは固定資産税でしょう。

固定資産税とは毎年1月1日に所有している土地、家屋にかかる税金です。税率は固定資産税評価額の14パーセントとなっています。これには軽減措置があり、住居用の土地では200平方メートル以下の部分については、評価額の1/6とされます。

これに加えて、都市計画法で市街化区域と定められている地域に建つ場合は、都市計画税も考えなければなりません。都市計画税の上限は0.3パーセントです。これにも1/3までの軽減措置があります。

固定資産税は相続した家を賃貸に出すか売却するかしない限り、毎年払い続けなければなりません。

人が住まないでいると建物は徐々に劣化します。相続の話がまとまりいざ住もうと思っても、放置した空き家は住める状況でなくなっているかもしれません。雨漏りで床が腐り抜けていたなどということになっていれば、改修に高額の費用がかかります。

面倒でも、普段から定期的に管理した方が長い目で見ると余計な負担が抑えられるでしょう。

空き家を自分で巡回するとなると、遠方であれば毎回交通費がかかります。除草や掃除に必要な道具も購入する必要があります。毎回ではなくても、何回かに1回はお隣さんに菓子折りも持っていきたいところです。

離れて暮らしている、独身で兄弟もいないという人などは、管理に手間をかけられないこともあるでしょう。そんな時には空き家見守りサービスを利用することになります。空き家を定期的に巡回し、維持やメンテナンスを有料で代行してくれるものです。

空き家にして放置するリスク
賃貸にも売りにも出されない空き家は、相続したものの使い道が決まらない宙ぶらりんなままで放置されています。こうした空き家は長期化しやすく、建物内部からじわじわと傷みが広がってきます。

人が住む家には空気の移動があります。何か問題があれば業者を呼んで修理もするでしょう。小さなトラブルがあっても住人がいればこそ、大きな問題になる前に対応できます。

そのため、人が住まない空き家では管理が必要となるのです。天気の良い日に窓を開け換気を行い、たまったホコリを掃除する。電気やガス、水道が問題なく使えるかを確認する。こうした維持管理を怠れば、途端に家は傷み始めます。天井や壁紙が剥がれるなど、崩壊は通気性が低く見えない内部から始まります。外観を眺めるだけではその危険性を知ることはできません。

空き家は個人の所有物ですが、周辺にも多大な影響を及ぼします。
蛇やムカデなどの害獣や害虫が住み着き、雑草が伸び放題になっていればヤブ蚊も大発生します。不衛生で防犯や防災の面からも好ましいものではありません。放火犯に狙われるだけでなく、雨漏りで電気配線が濡れて漏電し火災の原因となる例もあります。

実家を活用する方法

空き家にしたままでは、老朽化が進み資産価値も目減りしていきます。
親から引き継いだ思い出の家を有効活用するには、どのような方法があるのでしょうか。大きな選択としては「賃貸」と「売却」です。

まずは、一戸建て住宅の賃貸活用で考えていきましょう。
全国で空き家の数は増え続け、購入人口は減少しています。よっぽど立地が良くなければ、多額の初期費用をかけても回収するのが難しくなってしまいます。そのため、リフォームにお金をかけて高い賃料をとるよりも、賃料を低くすることが大切になります。

空き家の期間が短く、ハウスクリーニング程度で貸し出せる物件であれば初期投資も少なく済みます。建物の状態が良くなければ、家族向けの物件として低賃料で貸し出します。

建物の築年数が古く通常では借り手がつかなそうな場合には、ペット可の物件とする手があります。この場合、傷や臭いがつくかもしれないというリスクはあります。

次は売却についてです。
一番シンプルで空き家を有効活用できる方法です。不動産会社に売却の依頼をすれば、あとは先方が動いてくれます。契約や引き渡しの手続きでかかわるくらいのものです。売却で利益が出れば、申告をして税金を納めておしまいです。

もしも売らずに持ち続ければ固定資産税、都市計画税、光熱費、維持管理費がかかります。

貸す場合では家賃や礼金は入ってきますが、管理委託料、維持管理費、固定資産税を支払わなければなりません。空き家に愛着があるからと「とりあえず貸す」のはあまりお勧めできません。退去者が出た後、借り手がつかなくなってから売ろうと思っても、買い手はなかなか現れません。

まずはお気軽にご相談ください(無料)