断捨離は伝染する!? 実家を断捨離することの思わぬ効果
断捨離は、ただの片づけ法ではありません。生き方のベースになる思考法で、その結果として部屋がキレイになるのです。
断捨離を実行した人は、部屋の中と同様にスッキリした精神状態や、身についたシンプルな思考法に好感を持たれて評価が高まります。そして、「断捨離っていいことなんだ」と、まわりの人にも影響を与えるようになります。まずは最も身近な家族に断捨離の効果を波及させましょう。
一般的な断捨離の効果
部屋にあふれる物を、道具や小技を使った収納術で片づけても、直後のキレイさを保つのは難しいものです。
片づけた当初は、その場にある物がキレイに納まった状態ですが、物は日々収納場所から引き出されて使われる上、買い足されたりして増え続けます。元のところに戻すのが面倒くさくて床に置きっ放し、新しく買った物が行き場がなくて、これもまた無造作に置きっ放しになると、元の雑然とした部屋に逆戻り、いわゆる「リバウンド」となります。
その点、断捨離は物との付き合い方を根本的に見直す方法なので、リバウンドが少ないのが特長です。断捨離をすると最初に、自分に必要な物を選んで、それ以外は徹底的に捨てるところから入っているので、物を管理する目が厳しくなっています。そして、捨てることができるよう、物への執着を手放すトレーニングにもなっているので、買物が慎重になります。
入って来る物と出て行く物の管理ができるようになると、部屋は必要なもの、お気に入りの物だけに囲まれた理想的な空間となります。また、使いたい物や手に取りたい物がすぐに取り出せて、探す手間と時間的ロスが少なくなります。その快適さを知ってしまうと、保つための努力も無理なくできるようになるのです。
部屋の片づけに留まらない効果
断捨離後の整然とした部屋で過ごすと、頭の中も整理され思考がクリアになります。さらに、断捨離で培った、自分にとって本当に必要な物だけを残して、そうでないものはキレイに捨て去るという思考は、物の片づけ以外にも影響していきます。
まず、仕事の仕方が変わってきます。仕事場も断捨離すれば、探し物に費やした時間がなくなり、ぐっと効率化されます。
仕事の優先順位を付けられるようにもなるため、仕事がどんどん早くなります。そして、入って来る情報の要・不要の判断もできるようになり、本当に必要な情報だけを整理して、いざというときに有効に役立てることができるようになります。
仕事も含め、人間関係も変わってきます。しかたなく付き合っていた人と距離をおいて、本当に大切な人とだけ付き合うようになります。
惰性で参加していた飲み会や集まりなどは、できるだけ断って心から楽しめる会だけに参加するようになると、ストレスも減って自分だけの自由な時間が増えてきます。
実家が物にあふれていたら
実家の親と同居で家全体がゴミ屋敷寸前な場合、まず、自分の部屋から断捨離を始めましょう。部屋がひとつキレイになったことで、家の中がいかに汚いかを家族全体で認識できるようになります。
親や他の同居家族の同意を得て、洗面所や台所、廊下などの共有スペースまで徐々に断捨離の範囲を広げていきましょう。そのうち、家族がみんな断捨離の思考になって、個々の部屋を片づけるようになります。
実家の親とは別居している場合、時々帰る実家の様子を注意して見ておきましょう。若い頃はこまめに片づけをしてキレイに保っていた家が、年々物が増えて雑然としていることに気がついたりします。
年齢とともに物の整理ができなくなり、ゴミ出しも億劫になるなど、高齢化とゴミ屋敷の問題は深刻です。
帰省するたびに「片づけろ」と上から注意するのではなく、物があって家が狭くなると動きづらくなるとか、物を探せなくて何をするにも時間がかかるなどのデメリットを語って、一緒に片づけるようにしましょう。
ただし、物のない時代に生まれ育った親の世代には、断捨離の考え方がなかなか伝わりづらいので、できるだけ、親の意向に寄り添いながら快適な暮らしができるようにサポートしたいものです。
実家を断捨離することの意味
親がまだ若いうちは、多少家の中に物が多くても、しょうがないと割り切って別々の暮らしをすることもできますが、親が年老いてくると、親亡き後、家の中にある物を誰が処分するのかが気になり始めます。
実際、あまり実家に寄り付かなかった別居の子供が、親が亡くなった後の実家の有様を見て驚く、というケースが多くなっています。そうなると、どこに何があるのか、どれが必要な物でどれが捨てるべき物なのかを判断する人がいない状態で、残された家族が全て処理しなければならなくなります。
できれば、親が心身ともに健康なうちに実家の断捨離を始めた方がいいでしょう。
早ければ早いほど苦労が少なく済みます。なお、その際にいきなり「お父さんお母さんが死んだら私が苦労するから片づけましょう」などと自分本意で言うのではなく、あくまで、実家に住む親の幸せと安全を考えて行動しましょう。
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