遺品の保管はカビ・虫食い・シミに注意。きれいにしてから保管を
遺品とは、故人が残した品物のすべてをいいますが、一般的に、資産価値のない生活用品や愛用品などをいいます。現金、有価証券、土地、家屋など遺産として分配方法が法律で決まっている物以外ということになります。
資産価値がないとはいえ、最近では、リサイクル品として買い取ってもらえる物もあるので、きちんと分類して整理しましょう。その上で、お金に替える物は替えて、遺族や親族の中で形見分けをするものとともにそれぞれに相談の上で分配します。
遺品整理は、故人の思い出に浸っているうちに済ませてしまうのが望ましいのですが、整理に時間が取れない場合は、一定期間保存する必要があります。その際には、保管場所の確保が必要となり、遺品の保存状態の維持も大切になります。
遺品整理の期間
葬儀が一通り済んでも、役所関係、金融関係などの諸手続きなど、しばらくは何かしら煩雑な日々が続きますが、遺品整理も残された仕事のひとつです。
故人が借家住まいであった場合は、空き家・部屋にしておくことはできませんし、月々の賃料がかかってきますので、早期に家・部屋の中の物すべてを処分しなければいけません。
持ち家に住んでいた場合は、ある程度の整理をした状態でしばらく保存しておくこともできます。故人がひとり住まいだった場合は、空き家となってしまうので、家の維持管理が必要です。残しておく物も、高価な物や現金に替えられそうなものは、盗難に遭うことも考えられますので、別な場所に大切に保管します。
一般的に、四十九日や一周忌などの節目が、形見分けをするタイミングです。故人が持ち家に住んでいた場合でも、遺品整理にかける期間は1年程度を目安にした方がいいでしょう。
なお、家具や家電品は、時間が経つほどに劣化してしまうので、リサイクル業者に買い取りを依頼する場合はもちろん、遺族や親族の誰かが引き取る場合でも、できるだけ早く整理して引き渡しをしましょう。
また、故人の趣味で集めた品物の中に、思いがけず高額で取引されている物があるかもしれません。最近は、インターネットのオークションサイトであらゆる物が取引される時代なので、価値を判断しかねる物がある場合は、専門の業者に査定を依頼しましょう。勝手に廃棄してしまうと、後々遺族や親族の間で問題になる可能性があります。
遺品を保管・保存するときのモノ別のポイント
遺品は、処分のしかたによっていくつかの種類に分けられます。相続に関係する、銀行の通帳やキャッシュカード、クレジットカード、印鑑、有価証券、各種契約書、不動産などの権利書、貴金属、宝石、美術品など資産価値のあるものは真っ先に仕分けをして、法的な手続きを踏まえて処理しましょう。
次に、形見になる品物をまとめて、受け取るべき人に渡しましょう。家族、親族、友人知人など故人に縁のある人たちと故人との間で思い出になる遺品がいきわたるように、よく相談して遺品整理にあたりましょう。
家具や家電製品、衣類などで、まだまだ使えそうな物は、身内で引き取り手がなければ、リサイクル業者に引き取ってもらいましょう。状態がよければ買い取ってもらえますが、型が古すぎたり、壊れていたりするものは、粗大ゴミとして処分することになります。
身内に引き取り手がなければ、CD、DVD,本類もリサイクル業者に引き取りを依頼できます。店に持ち込むほか、まとまった量があるなら家まで引き取りに来てくれます。
その場で査定して買い取りできる物は現金化してくれますが、買い取ってもらえない物はゴミとして廃棄するしかありません。
趣味の物は故人の人となりが偲ばれるので、できれば保管しておきたいものです。音楽CDは、データを音楽再生機に取り込めば音源を残しておくことはできます。できるだけ収納しやすいような形態にして、しばらく保管しておくことも考えてみましょう。
そのほかの日用品は、結局、廃棄することになりますが、故人の面影を強く連想させるものが多く、なかなか捨てるに忍びない物でもあります。しかしながら、いつまでも生前のままの状態でおいて置く分けにもいきませんから、思い出は心の中に留めておいて、思い切って捨てることも必要です。
トランクルームを利用した保管について
故人が借家住まいで早急に立ち退く必要がある場合、故人のコレクションや作品が多数の場合、遺品整理がなかなかはかどらない場合など、遺品の保管場所に困ったとき、トランクルームが便利です。
トランクルームは、月単位、年単位の契約で借りる「レンタル物置」です。野外にコンテナを積んでいるようなタイプから、空調を完備して温度や湿度を一定に保ち、保管物の品質管理を徹底しているところまで、さまざまです。できればすぐ取りに行けるようなアクセスしやすい場所が良いのですが、預ける物に合わせて最適な預け先を探しましょう。
トランクルームに遺品を預ける際には、預ける物をきちんときれいにしてから段ボールなどに詰めて持ち込みましょう。長い間部屋に置かれていた物は、たいていホコリやカビがついていたりするものです。拭いたり除菌したりして、長期の保管でもカビたり、虫食いやシミになって劣化したりすることのないようにしましょう。
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